【完治体験談】脳脊髄液減少症という病気について|突然の激しい頭痛

2023年6月21日

私は2014年の11月に、脳脊髄液減少症(低髄液圧症候群)という病気になりました。

なんの前触れもなく、突然激しい頭痛に襲われたのです。

※本記事は、あくまで私の場合のケースや体験談としてお読み頂けますと幸いです。
4コマ漫画内では「低髄液圧症候群」という言葉で表記されておりますが、基本的には「脳脊髄液減少症」と同じです。

脳脊髄液減少症(低髄液圧症候群)とは

脳脊髄液減少症とは、交通事故やスポーツ外傷等の後に、脳脊髄液が漏れ出し減少することによって、起立性頭痛などの頭痛、頸部痛、めまい、吐き気、倦怠、不眠、記憶障害…等、様々な症状が起こる病気です。
「低髄液圧症候群」とも呼ばれております。

ものすごく簡単にいうと、髄液が漏れて頭痛が起こる病気です。

外傷のほかにも、帝王切開時の硬膜外麻酔で硬膜に傷がついた場合や、脊髄くも膜下麻酔の後にも同様の症状が起こり、一時的な脳脊髄液減少症を患う場合もあるそうです。

そして、直接的原因が分からず、突然発症する場合もあります。私がそのパターンでした。
…と、このようになんの前触れも直接的要因もなく、突然発症する場合もあります。

最も多い主な症状と特徴

脳脊髄液減少症の主な症状、それは起立性の頭痛です。
通常の頭痛と違うところは、立っていると激しい頭痛が起こるのに、横になるとすっとおさまるというところです。

もうひとつ特徴的なのは、鎮痛剤が効かないということです。
通常の頭痛の場合は市販の鎮痛剤でも、飲めばしばらくして頭痛がおさまりますが、脳脊髄液減少症が原因の頭痛の場合は鎮痛剤が効きません。

もし突然激しい頭痛が起こり、鎮痛剤が効かず、横になると痛みがおさまるような症状でしたら、
脳脊髄液減少症の可能性を疑ってみてください。

様々な検査をしても異常なしと出ることが多い

これがこの病気の非常に厄介な点なのですが、明らかに通常よりおかしい頭痛や症状が出ても、CT検査や血液検査をしても異常なしと診断されることが多いです。

私も総合病院で虫の息になりながら、一日かけて様々な検査をしましたが全てにおいて異常なしと診断されてしまいました。

立っているだけで割れるような頭の痛みが起こるので、検査自体が地獄のようでして…(涙)

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病名確定までの検査

地元の総合病院で検査をしても「異常無し」と診断されたものの、症状は日に日に悪化していきました。

実家で療養させてもらっていたのですが、トイレに行くのもしんどくなり、最終的には横になっていても頭痛が起こるようになってきてしまったので招待状を書いてもらい、大学病院で検査をしてもらうことにしました。

そして、髄液検査と頭部のMRI検査をすることになりました。

あくまで私の場合ですが、この背中に針を刺して髄液を採取するという検査がものすごーーーーーーく痛かったです。この時点では人生史上一番の痛みでした・゚・(ノД`;)・゚・(すぐ後に痛みNo.1はすぐに更新されますが 苦笑)

この髄液検査というものは、通常だと針を刺せばとてもスムーズに髄液を採取できるものらしいのですが、髄液が減少している状態だとわずか1ccの量をとるだけでもなかなか時間がかかり、スムーズにはいかないそうです。まさに私がそれのようでした。

そしてその後、頭部のMRI検査をしました。頭が割れるような痛みの中、轟音のMRI検査…こちらも地獄でした・゚・(ノД`;)・゚・
何度も吐き気と闘いながらも、なんとか30分ほど耐えましたが、意識を失いそうなくらいキツかったです…。

私の場合、この髄液検査と頭部のMRIで病名が確定いたしました。

脳神経外科での入院となります。

治療法① 臥床安静

「臥床(がしょう)安静」とは、寝たまま静かに過ごすことを言い、今回の場合は点滴で水分を補いながら硬膜の自然修復を促す保存的療法のことを指します。
脳脊髄液減少症の場合はとにかく水分を取り、安静に横になっていることが快復への近道だそうです。

…ただ寝ていることしかできないというのは、想像以上につらかったです。
もちろんトイレも行けません。時間の流れがこんなにもゆっくり感じたのは後にも先にもこの3日間が一番でした…。

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治療法② ブラッドパッチ

先述した臥床安静であまり効果が得られない場合は、ブラッドパッチという治療法が有効とされています。

このあまり効き慣れないブラッドパッチがどういうものかというと…

…と、簡単にいうとこんな感じのものです。
当時(2014年)はこの病気も治療法もあまり認知度がなく、調べてもあまり情報がなかったため医師の説明を受けても不安でいっぱいでした。

私は臥床安静であまり快復傾向が現れなかったため、こちらの治療にステップアップすることを希望しました。

ブラッドパッチをしてみた時の感想

…と、私の場合、自分でもびっくりするくらい身体が硬直してしまい、しばらく動けないほどの衝撃に見舞われました…!
髄液検査の時の痛みを数日で更新してしまうほどの、人生史上最大の痛みでした…(*T▽T*)

ただこのブラッドパッチ、感じ方にはとても個人差があるそうで、経験者の方々のお話を聞くとあまり痛みや違和感を感じない人が多数おりました。
むしろ私のように、ここまで衝撃的な痛みや違和感を感じる人の方が少ないように思いました。

ブラッドパッチ 治療後

ブラッドパッチを受けた後は、一時的に治療前よりも体調が悪化することがあるといいます。私もその状態に陥りました…。

ただ、この状態はブラッドパッチの翌日のみでした。
二日後には…

上半身を起こしてみましたが、「痛み」というよりは「重い」という感じでした。
それでもまだまだ起き上がるのは怖かったので、治療後2・3日目は安静にしておりました。

そして治療後4日目には…

なんと!あの割れるような頭痛が無くなっていたのです!!(喜!)

ブラッドパッチは効果にも個人差がとてもあるらしく、私のように1度の治療で劇的に快復する人もいれば、数回受けても快復には至らないとう方もいたり…と、効果の程が一概には言えないようです。

ただ、私のような突発性の脳脊髄液減少症には、早期治療が効果的とのお話はうかがいました!

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そして退院へ…

治療後、4日目以降はめきめきと快復していきました!

治療後、朝起きるたびに頭痛がないかドキドキしながら慎重に上体を起こし、都度安堵しておりました。

そしていよいよ退院へ!

入院している間に季節は秋から冬へと変わっておりましたが、退院した日の外の風の冷たさ・心地よさは今でも鮮明に覚えております。

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まとめ

私は2014年11月19日に発症し、発症から7日目の11月25日に大学病院に入院しました。
そして発症から20日目・入院して14日目にブラッドパッチの治療を受けました。
その後、発症から29日目・入院して23日後・ブラッドパッチから9日後に退院いたしました。

そして、それから7年たった2021年現在…再発もなく元気に過ごしております!

どんな病気にも言えることなのですが、この病気も早期発見・早期治療が快復への最短の道と言えます。

特に、私と同じ原因不明の突発性の場合はできるだけ早くブラッドパッチの治療を受けることが望ましいようです。

もし脳脊髄液減少症のような症状が出ても、すぐに治療ができない場合はたくさん水分を摂り、出来る限り横になって安静にしていてください。
ごく軽い場合は、自宅による保存的療法でも快復することもあるそうなので、少しでも異常を感じたら決して無理せず身体を休めてください。

私の場合ですが、頭痛(脳脊髄液減少症によるものではない)が起きた時は、ポカリを飲んで横になっているとだいぶ頭痛が楽になります。

この病気はまだまだ世間の認知度が低く、なかなか専門の治療を行っている医療機関も少ないことが悩ましいところです。
ただ、病名が知られていないだけで発症する人は年々増加傾向にあるそうです。

手術のように、悪い箇所を切除すれば良くなるというものでもなく、治療をしても確実に快復するとは言えないこの病気…
さらには、直接的原因が無くても発症するところがこの病気の怖いところで、前日まで何事もなく元気に過ごしていたのに、予兆も前触れも無く突然激しい頭痛に襲われるという厄介な病気です。

検査を受けても数値に異常が出ないことが多い上、外傷もなく見た目に異常がないため、よく「怠け病」と言われたりしますが、当人からすると地獄のような頭痛に襲われている渦中かもしれません。

もし、自分だけではなく身近に「起立性の頭痛」を訴える方がおりましたら、
この病気の可能性を示唆して頂ければ幸いです。

私の脳脊髄液減少症の闘病記について

文章の間にちょこちょこと4コマの闘病記を挟んでおりましたが、ごく一部をピックアップして載せておりますので、全容は私の4コマサイトの闘病記のページをお読み頂けますと幸いです。

ブログでは読みづらい場合は、まとめたものをKindleでもお読み頂けますので、よろしければこちらもどうぞ!(※有料です)

ここまでお読みいただきありがとうございました!( *´ ▽`*)